病気・症状 事典
3.産科・婦人科(産婦人科)で扱う病気と症状
避妊(ひにん)
別の呼び方:バースコントロール



避妊の方法を教えて下さい。


避妊法にはいろいろなものがあります。主な避妊法を紹介しますので、メリット、デメリットを見極め、自分のライフスタイルにあった方法をみつけましょう。
1.基礎体温法:基礎体温によって、排卵日を推定し、妊娠の可能性が高い時期の性行為を避ける方法です。婦人体温計を使用し、毎朝身体を動かす前に舌の下で体温を測るだけの簡単で副作用もない方法です。ただし、基礎体温は体調によって変動することもあります。また、月経周期が不規則な人などには適していません。
この方法だけでは避妊効果は低いので、補助的な方法とし、その他コンドームなどの避妊法と併用しましょう。
2.コンドーム:薄いゴム製の袋を勃起した男性器に被せ、精子が膣内に入るのを防ぐ方法です。コンドームは薬局やコンビニなどで手軽に安価に購入することができることや、副作用がほとんどないことから、日本でもっとも利用されている避妊法です。 正しく使用すれば避妊効果も高く、また、STD(性行為感染症)の予防にもなります。
3.ペッサリー:ゴムでできたおわん型のキャップを子宮口に装着して、精子が子宮内に入るのを防ぐ方法です。婦人科などで子宮口のサイズを測り、自分に合ったサイズのペッサリーを選んでもらい、装着方法を指導してもらいます。副作用もほとんどなく、装着の際に避妊ゼリー(殺精子剤)を塗れば、避妊効果も高くなります。ただ、装着方法が難しく、正しく装着しないと失敗する確率が高くなります。
4.IUD:子宮内にリングやループ状のものを入れ、受精卵が子宮内に着床しないようにする方法。形状は様々で、材質は一般的には柔らかいプラスチックや銅などです。産婦人科などで装着してもらう必要があり、一度装着すると2〜3年間は使用することができます。避妊の効果は高いですが、不正出血や過多月経、月経痛が強くなるなどの副作用もみられる場合もあります。
5.経口避妊薬:一般的に「ピル」と呼ばれています。女性自らが「ピル」を医師の指示に従って服用する方法です。排卵を抑制し、受精卵が子宮内に着床しにくい状態にするほか、精子が子宮内に侵入しにくい状態にするなどの効果があり、非常に高い避妊効果が望めます。
「ピル」には、必ず医師の処方が必要で、服用してはならない場合や慎重に服用しなければならない場合があります。
「ピル」を服用して起こりうる副作用として、はきけ、むかつき、頭痛、下痢、乳房の痛みなどがありますが、通常は1〜2ヶ月で症状は消滅します。逆にプラスの作用、いわゆる“副効用”といわれる効果があります。主には、月経周期が規則正しくなる、月経の出血量が減少する、月経痛の発生頻度が低下する、ニキビや多毛が治るなどがあります。


避妊をすれば、STD(性行為感染症)になりませんか?


避妊したからといって、避妊法によってはSTD(性行為感染症)にならないといったことはありません!避妊と同時に STD(性行為感染症)の予防もするようにしましょう!!
上で紹介した避妊法の中で、STD(性行為感染症)の予防になるものは、コンドームです。ただし、セックスの多様化(素マタ、フェラチオ、アナルセックスなど)で性器外感染も多く、特にフェラチオ(オーラルセックス)などによって口腔内感染を引き起こす場合もあります。


どうしてED(勃起不全)になってしまうのですか?


ED(勃起不全)は、ストレスや緊張、うつ病など精神的な原因でなる「心因性ED(勃起不全)」と、高血圧や糖尿病、心臓病などによってひきおこされる体の異常が原因の「器質性ED(勃起不全)」などがあります。また、心因性と器質性の両方が関係してED(勃起不全)になってしまうこともあります。



先生!病院に行くのがチョット怖いのですが・・・どうしても病院に行かなければならないのですか?


基礎体温法やコンドームは、薬局やコンビニなどで手軽に手に入れることができるので、病院に来る必要がありませんよ。
ペッサリー、IUD、経口避妊薬(ピル)は、必ず専門の医師による指導や処方が必要になります。さらに定期検診が必要な場合もありますが、専門医による適切な指導、処方を守れば、安全に避妊することできますよ(笑)。