病気・症状 事典
3.産科・婦人科(産婦人科)で扱う病気と症状
子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)
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子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)とはどんな病気なのでしょうか?


子宮筋腫とは、子宮の中に良性のコブ(腫瘍)ができることをといいます。子宮筋腫のコブ(腫瘍)は、良性なので、他の臓器に転移したりすることは、ほとんどありません。子宮筋腫は、20歳代〜50歳代の女性に多く見られます(2〜3割程度ともいわれています)。コブ(腫瘍)のできる場所や大きさなどによって様々な症状がでますが、中には自覚症状がない場合もあります。


何が原因で子宮筋腫になるのでしょうか?


原因は、今のところはっきりと分かっていません。筋腫の発育は、卵巣から分泌される女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響があるのではないかと考えられています。



子宮筋腫は、どんな症状が出てくるのですか?


子宮筋腫は、筋腫のできる場所によって主に次の3つに分けられます。
1.子宮の筋肉組織の中にできる筋腫を「筋層内筋腫」
2.子宮の外側を覆っているしょう膜の中にできる筋腫を「しょう膜下筋腫」
3.子宮の内側を覆っている子宮内膜の中にできる筋腫を「粘膜下筋腫」
子宮筋腫の症状は、筋腫のできる場所や大きさなどによって異なりますが、主には、月経困難症(月経時の月経痛、腰痛、発熱、めまい、頭痛、吐き気などの症状)や過多月経、不正出血、排尿障害(頻尿・排尿痛など)、便秘、下腹部のしこり、常に帯下(おりもの)がある、などの症状があらわれます。



先生! 検査や治療はどのように行われるのですか。


(1)検査は、まず問診によって、症状の度合いなどを伺います。次に、内診(腹部や膣内などを直接触れ)によって、子宮内や卵巣、筋腫の状態を調べます。さらに、筋腫の状態によって、直腸診や血液検査、超音波検査、MRI検査、CT検査、内視鏡検査などを行う場合があります。
(2)治療は、筋腫の状態によって異なりますが、主に薬物療法と手術になります。
薬物療法は、@鎮静剤などで症状を軽減する薬を用いる対症療法、Aホルモン剤などで一時的に筋腫の増大を抑える薬方法があります。また、症状が軽く、日常生活に支障がない場合、子宮筋腫は良性の腫瘍なので、定期的に検診を受けながら様子を見ることもあります。
手術は、薬物療法で改善されない場合や症状(貧血など)によって日常生活が困難な場合など、筋腫の大きさではなく症状によって行われます。子宮筋腫によって手術が必要なケースはほんのわずかです。
症状と病態にあわせた専門医師による適切な早期治療を行えば、必ずよくなる病気ですよ。けっして怖がることはありません(笑)。お気軽にご相談下さい。